グリホサートは、世界で最も広く使用されている除草剤の一つだ。代表的な除草剤に含まれており、アメリカでは年間2億5千万ポンドもの量が散布されているという。このような状況では、パラノイアを引き起こすのも無理はない。
不必要な恐怖を広める
インターネット上では、グリホサート 除草剤に関する「恐ろしい真実」が紹介されている。具体的には、グリホサート 農薬は有害であり、欧米では自閉症、アレルギー、がん、循環器系疾患など、さまざまな病気の原因になっているというものだ。このような恐怖政治は、グリホサートに関する最も根強い神話の1つによって煽られている。
「グリホサートは毒性がある」というものだ。
これは非常に単純化されている。 グリホサート 安全は、全米で栽培されている作物と競合する雑草にはすぐに毒性を示するが、人間やその他の動物に対してははるかに危険性が低いのだ。
この神話を覆すには、まず比較から始めよう。毒性の指標としてよく使われるのがLD50(実験動物の50%を殺すのに必要な化学物質の量)である。グリホサートのLD50は、体重1kgあたり約5600ミリグラム。タイレノールに含まれるアセトアミノフェン(LD50は1944mg/kg)、コーヒーに含まれるカフェイン(LD50は192mg/kg)、マルチビタミンに含まれるビタミンD(LD50は10mg/kg)など、他の「有害な」化学物質と比較すると、グリホサートは実に良心的なのである。
グリホサートに危険はない
このように、グリホサート イソプロピルアミン塩は基本的には毒性がなく、大量に飲まない限り死に至ることはない。しかし、多くの人は、グリホサートの毒性はもっと邪悪な性質を持っていて、私たちを微妙に、そしてゆっくりと傷つけているのではないかと心配している。その懸念を分析してみよう。
確かに、グリホサートをはじめとする農薬の残留物は、私たちが口にする食物に含まれている。しかし、その量はごくわずかで、食べる前に野菜を洗えば、さらに減らすことができる。しかし、科学者の中には、このような微量の農薬を繰り返し浴びることで、長期的なダメージを受けるのではないかと考えている人もいる。しかし、このような研究者は少数派であり、彼らの憂慮すべき研究は、それとは逆の圧倒的な証拠に圧倒されている。
野菜や果物を洗うのを怠っていても、心配する必要はない。EPA(米国環境保護庁)がラットやマウスを使った長期研究から算出した結果によると、体重165ポンドの人間が慢性的な悪影響を心配する必要があるのは、1日あたり150ミリグラムのグリホサート 農薬を食べた場合だという。私たちの食品に許されているごく微量の残留農薬を考えると、165ポンドの人間は、毎日約65ポンドの野菜を食べなければならないことになる。
昨年、国連国際がん研究機関(IARC)は、入手可能な証拠を検討した結果、グリホサート 仕組みを「おそらく発がん性がある」と分類した。この分類については、もうひとつの著名な機関である欧州食品安全機関(EFSA)が異論を唱えているが、それでも、それほど違和感を覚えることはない。おそらく発がん性あり」というランクは、ベーコンやソーセージなど、多くの人が日常的に食べている加工肉に比べて、グリホサートの発がん性の可能性を低くしている。
なぜグリホサートに関する恐怖心が消えないのか?
では、ハンバーガーからアイスクリームまであらゆるものにベーコンが使われているのに、なぜグリホサートの毒性神話が続いているのだろうか?ワシントン・ポスト紙のフード・コラムニストであるTamar Haspel氏が、以下でその理由を提示している。
『How Risky Is It, Really? Why Our Fears Don’t Always Match the Facts 』(=どのくらい危険なのか?恐怖心と事実が必ずしも一致しない理由)の著者であるDavid Ropeik氏によると、私たちが怖がるのは暴露レベルではない。「私たちは、自然界の脅威よりも、人間が作り出した脅威をより恐れているのだ」と彼は言う。また、「五感で感知できない脅威”、”押し付けられるリスク”、”信頼できない情報源から発生する脅威 」も同様だ。
グリホサート 使い方は、人間が作ったもの、検知できないもの、避けるのが難しいもの、大規模農業が生み出したもの、と4拍子揃っている。