遺伝子リテラシープロジェクトがグリホサート 除草剤のマルハナバチへの影響について調べました。
マルハナバチは農業にとって有能な受粉昆虫
マルハナバチは大量の花粉を集める性質があるので、イチゴやトマト、メロン等果菜類などの園芸作物生産における花粉媒介者として、農業の省力化を図る上で欠かせない存在です。
ミツバチももちろん受粉昆虫ですが、ミツバチは蜜がない花には訪花しません。
それに比べてマルハナバチは花粉だけの花でもよく訪花します。毛がふわふわとしていて花粉が付着しやすいというメリットもあります。
トマトやナスなどナス科の野菜は蜜の無い花の代表ですがマルハナバチを使うと受粉できます。
マルハナバチはもともとミツバチより寒冷な地域に生息しているのでミツバチが飛べないような厳寒期にも働いてくれます。イチゴのように真冬に受粉が必要な作物の場合に効果を発揮し着果率アップが見込めることから、農業にとって重要な役割を担ってくれています。
グリホサートはハチの死亡率に有意な影響なし
世界で最も一般的に使用されている除草剤で、農業分野で広く使用されているグリホサート系除草剤は規制当局によって「ミツバチに安全」とみなされていますが、いくつかの新しい証拠研究では、グリホサート系除草剤がハチに悪影響を及ぼすことが示唆されています。
グリホサート 除草剤が単独で、あるいは他のストレス要因と組み合わさって、ハチの健康に悪影響を及ぼすかどうかを明らかにすることは、非常に重要な問題といえますが、
遺伝子リテラシープロジェクトが出した結果はグリホサート イソプロピルアミン塩は「ハチの死亡率に有意な影響なし」でした。
ロンドン・ロイヤルホロウェイ大学(RHUL)のエドワード・ストロー教授とマーク・ブラウン教授による新しい研究は、グリホサート 農薬に関する現在の知識を拡大するものです。
この研究では、これまでテストされていなかった種であるバフテールマルハナバチ(セイヨウオオマルハナバチ)に対するグリホサートの影響を調べ、これまでグリホサート 農薬と一緒にテストされたことのないハチの寄生虫クリシジアボンビを組み込んでいます。
著者らは、生態毒性学の分野におけるいくつかの異なる研究手法を用いて、ハチがグリホサート、ハチの寄生虫、またはその両方のストレス要因にさらされても、ハチの死亡率に有意な影響がないことを確認しました。さらに、繁殖やスクロースの消費量にも有意な影響は見られなかった。
今回の結果は、グリホサート 農薬を経口投与してもマルハナバチの死亡率は上昇しないという確かな証拠となる。グリホサート 成分が寄生虫の感染をより強くするかどうかについては決定的な証拠が得られなかったが、いずれにせよ、環境的に現実的な濃度では関連性がないと考えられる。
この研究で、グリホサート、寄生虫、またはそれらの組み合わせが健康に関するいかなる指標にも影響を及ぼさないと結論付けています。
グリホサート単独ではマルハナバチの死亡の原因にならない
今回の結果では、グリホサートは単独でも、一般的な寄生虫と一緒にいても、マルハナバチに害を及ぼす可能性は低いとされています。今回の調査結果は、グリホサート イソプロピルアミン塩だけではマルハナバチの死亡原因にはならないという強い証拠になります。
ハチへの影響について有効成分であるグリホサートのテストだけでは十分ではないのかもしれません。
よりグリホサート 安全であることを確認するには他の成分も含めてより広い範囲や方法による検証や証拠が必要かと思われますが、この結果からグリホサート単独ではマルハナバチの死亡原因ではないことは証明されています。